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Lesson

​レッスンについて

【バンドネオンのレッスンについて】


【レッスンに当たって】
 私自身、18歳からバンドネオンの手ほどきを小松亮太氏にして頂きました。ドレミの位置を覚えるところからお世話になり、ひたすら毎日覚えながら半音階を練習していたのはもう20年以上前・・・。その後、アンブロス、マドリガルといった巨匠の教則本を学びながら、バルレッタ氏の「LOS GRANDES CLASICOS AL BANDONEON」の中の曲も同時に学んでいきました。その中で、バンドネオンで弾けるクラシックの小品などを探しつつ、自分の道に目覚め、20歳頃からはピアソラも弾きつつも、専らクラシックの道へ・・・。

 小松亮太氏に師事している中で、音源として出逢った伝説の奏者”アレハンドロ・バルレッタ氏”。彼の真摯で純粋なバッハやフレスコバルディの演奏に大きな感銘を受け、大学2年生終わりの春休みにつてを辿りアルゼンチンへ。わずか1カ月半でしたが、週2回、バルレッタ氏のレッスンを受け、その存在の偉大さの衝撃を受けました。再訪を約束し帰国・・・。

 その後、大学を卒業すると同時に再びアルゼンチンへ。とにかく、クラシックの道を究めたかった。バルレッタ先生の元で学びたかった。レッスンでは基礎は扱わず、「インベンションとシンフォニア」、「平均律クラヴィーア曲集1巻」、はたまたヘンデルの「オルガン協奏曲」や先生のオリジナル曲などなど。先生との最初で最後の共演もありました(トップページの写真がそうです)。延べ1年10カ月の滞在となり、帰国までの10カ月間はウルグアイに月1回渡り、計10回程度リベーロ氏のレッスンを受講。税関で「お前、よく出国してるけど、この箱の中身はなんだ?」と聞かれ、危うく税関でバンドネオン解体ショーを行うところでした(笑)。

 帰国して15年。今でもいい思い出ばかり。バルレッタ先生は、芸術肌な指導。大枠で物事を伝える。しかしその音源を聴くと全て納得。天才である。リベーロ先生は姿勢から基礎から細かい指導。演奏における柔軟さ、これは群を抜いていた。腕と手とバンドネオンが一体に見えた。

 結果としていいバランスで巨匠の教えを乞うことができたように思う。南米に行くと分かりますが、とにかく向こうの人は言う事為す事テキトーだが、皆明るく優しく親しみやすい。家族ぐるみで優しい。単身留学した私にとって、最初のホームステイ先で出会った方々にも心から感謝しているが、特にバルレッタ家から受けた優しさや恩恵は生涯忘れることができないと思う。先生亡き今でもSNSでバルレッタ家とは繋がっています・・・。

 話が長くなりましたが、(ディアトニック式)バンドネオンはややこしくとっつきにくく、手に入りにくい楽器です。しかし、そこが面白いと思います。音は誰でも出せるかもしれません。しかし、ある一定の音列を演奏するとなると、壁に当たります。右手38個、左手33個、計71個のボタンがありますが、蛇腹の押し弾きで音が全く違う…。つまり4パターンの配列を覚える必要があるのです。
 
 そこで、私は以下の順序で学ぶべきと考えています。
 ※”引き”、”押し”は蛇腹の動きを表します。

①右手の”引き”を半音階で覚えていく(最低音のラ~最高音のシ)約4オクターブ
②左手の”引き”を半音階で覚えていく(最低音のド~最高音のラ)約3オクターブ
③右手の”押し”を半音階で覚えていく(最低音のラ~最高音のラ)約4オクターブ
④左手の”押し”を半音階で覚えていく(最低音のド#~最高音のシ)約3オクターブ

 これだけでも大変です。私は毎日やって3カ月ほどかかりました・・・。
 その後、音当てクイズみたいに質問します!

「では右手の一番低いドを”引き”で弾いてください」
「次にその音の1オクターブ上の音を同じく”引き”で」
「ではその音を”押し”で」

 というような感じです。もぐらたたき、みたいかもしれません(笑)

 最後になりますが、私はとにかく蛇腹の押引をバランスよく使うこと、その上での基礎練習、練習曲は非常に大事であると考えております。基礎ができないうちに曲に進んでしまうと悪い癖が付き、取れなくなることも多々あります。総じてバンドネオン奏法の教え方のエッセンスは、多くを小松亮太氏から学んだように感じます。

バンドネオンを始めたい方のご相談、お待ちしております。

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